診療所における電子カルテの選択ポイント                      2004年5月

 整形外科は患者の絶対数が多いこと、診察・処置・投薬以外にリハビリに通院する患者が多いことなど他の診療科とは異なる特殊性があり、システムを選択する上で特に考慮すべき事が多いと思われます。整形外科診療所における電子カルテの選択について、 私が使用しているSuper clinic(以下SCと略します)を基準にして意見を述べてみます。

1.電子カルテとレセコン機能が一体になったものが望ましい。

 電子カルテとレセコンが別の機器として独立しているものは、それぞれの端末がレセコンとして、電子カルテとしての機能しか持ちません。

 一体型はどの端末でも両方の機能を持っているので、どの端末でも電子カルテとしてもつかえるし、会計処理にも使えます。そのため受付端末で、事務員がカルテ参照して会計入力漏れをチェックした上で会計処理をすることができます。保険点数に関連しているカルテ内容の間違いを修正をする時も手間は容易です。どの端末が故障した場合でも、他の端末が機能を代行できるので、会計業務や診療業務に支障を来すことがありません。一体型と分離型の使い勝手にはたいへん大きな差があります。これは絶対はずせないポイントだと思います。

2.一度に複数のカルテを開けるか。

 これができないと、一人の患者さんの診察が完全に終わるまで、次の患者さんの診察へ進めませんし、診療途中に他の患者さんのカルテを参照できません。SCの場合一度に3人のカルテを開ける他に、途中まで記入したカルテを、仮登録という形で保留しておけるので、次々と流れよく診療を進められます。

3.カルテの履歴参照は簡単にできるか。

 電子カルテによっては数回前までのカルテ内容は参照できても、それ以上の履歴をみるには手間がかかるものがあります。整形外科は診療日数が多い患者さんの比率が高いので、それでは1週間前のカルテ内容もすぐに参照できないこともありえます。SCの場合、過去のカルテ内容は無制限に参照できるほか、カルテナビという機能があり、処置・検査・処方・指導など種々の診療内容の履歴を一覧で見ることができますし、履歴から必要な所をDo入力できるようになっています。

4.内容入力のためのテンプレートやセットが簡単に作れるか。

 カルテの記載にあたって、病歴や診察所見をすべてキーボードで入力しないといけないような電子カルテでは実用に耐えません。このような電子カルテでは、結局紙カルテに記載しておいて、診療の後で電子カルテに入力するという二度手間をせざるをえない羽目に陥り、IT化したために結局業務が非効率になってしまいます。診察所見、処置、処方などの種々の診療内容のテンプレートやセットを組むことではじめて紙カルテより多くの情報を迅速にカルテに記載できるようになります。システム導入時に業者がユーザーの要望に応じてこれらを作成してくれると思いますが、使用しているうちにセット内容の修正や新規セットの作成が必要になります。電子カルテはユーザーが使いやすいようにカスタマイズしていく事で使い勝手がどんどんよくなっていきます。これをいちいち業者に依頼しないとできないようでは不便です。SCは診療の合間にでも簡単にテンプレートの作成・修正ができてしまいます。

5.画面構成と操作性

 インターフェイス画面は、紙カルテの2号用紙に準じたものの方が違和感が少なく、操作もしやすいと思います。またwindows系の一般ソフトに準じたメニューバーやアイコンがあると、少しパソコンの使用経験があれば、マニュアルをみなくても使いながら操作を覚えてしまう事ができます。

6.検査データがオンラインで取り込めるか。 

 外注検査結果を手入力で電子カルテに入力するのは手間がかかります。フロッピーを使って取り込めればいいですが、オンラインで自動取り込みができるとはるかに便利です。SCでは検査結果は検査センターからオンラインで取り込まれ、自動的に各患者のカルテにリンクされるようになっています。

7.オンラインでのリモートメンテナンス

 SCの場合ソフトの細かなバージョンアップや保険点数改訂、薬剤マスターの追加などは検査データを受信する時に必要なプログラムが同時にダウンロードされてきます。

 SCの広告塔のように思われるかもしれませんが、別にファルコさんから広告料をもらっているわけではありません。少なくともSCを導入して後悔することはないと思います。他社のものでも今回記載した選択ポイントをチェックして適切なシステムを導入して下さい。

 最近2つの大学同門の先生から、電子カルテを導入したが、かえって不便になって困っていると相談されました。どちらも業界大手のシステムですが、今回選択のポイントとした項目を満たしていませんでした。